コブラウズとは何かとその仕組み
コロナ禍において、顧客と企業がオンラインでビジネスを行う新しい方法を続けている中で、顧客対応チームは「実際に会う時と同様の高度にパーソナライズされたサービスを、どのようにオンラインでも提供できるのか」というジレンマに直面しています。
顧客は、製品や定期購入パッケージの選択、アカウント情報の更新、オンラインでの情報検索や複雑なフォームの入力などのさまざまな状況で、サポートを必要としています。顧客が見ている画面に表示されている内容を伝えるのに手間取ったり、エージェントが顧客に見えない部分を説明しようとすると、すぐにフラストレーションがたまってしまいます。
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企業では、カスタマー サービスの会話の質を向上し、顧客との距離を縮めるために、コブラウズのような視覚的なサポート技術の利用を増やしています。視覚的な要素の追加により、エージェントはすぐに顧客の状況を把握でき、まるで隣に座っているかのように手順を段階的に説明できます。
コブラウズの定義
哲学的に説明すると、コブラウズとはコミュニケーションを明確にすることです。コブラウズでは顧客が見ているものを理解するために、あらゆる障害を取り除きます。コブラウズについての理解を深めるために、用語と技術をもう少し掘り下げてみましょう。
コブラウズとは ?
リモート デスクトップ ソフトウェアは、リモート デスクトップ アクセスとリモート デスクトップコントロールを提供します。接続すると、ユーザーはデバイス上にあるすべてのファイルとアプリケーションにアクセスして、まるで実際にマウスを使っているかのように操作できます。フォルダの移動、アプリケーションの開始、ソフトウェアのインストールし、システム設定の変更など、リモート デバイスへの全面的なアクセスと制御が可能です。
コラボレーション ソフトウェアとは ?
コラボレーション ソフトウェアには、いくつかのタイプがあります。チーム向けのコラボレーション ソフトウェアと企業向けのコラボレーション ソフトウェアは、組織内の同僚のコミュニケーション、計画、プロジェクトへの参加、情報の共有を一日を通じて可能します。
その他のタイプのコラボレーション ソフトウェアは、顧客対応のエージェントと顧客による外部コラボレーションを可能にし、カスタマー サービスとサポートを提供します。コラボレーション ソフトウェアの中には、大きなソリューション内の機能の 1 つとしてコブラウズを含んでいるものもあります。そのような場合、コブラウズの機能は必要最低限になっているかもしれません。その他のソリューションは、コブラウズに特化されていて、より優れた柔軟性とセキュリティの提供が実現できます (後ほど詳しくご紹介します) 。
コブラウズ ソフトウェアを使用する理由
カスタマー サービスのエージェントが顧客と同じ状況を把握できれば、顧客が直面している問題を迅速に解決できます。
コブラウズ ソフトウェアを使用すると、エージェントは以下のような場面で効果的に顧客をサポートできます。
- 複雑なフォームの入力
- アカウント設定の変更
- 購入のための一連の操作を説明
- Web サイト上にある適切なページや製品の検索
- デバイスまたはアプリケーションの機能の実演
コブラウズの仕組み
デジタル プロパティを一緒に閲覧できる基本的な機能以外、その仕組みは選択したコブラウズ技術により異なります。
独立型、特化型のコブラウズ
1 つの目的のために構築された技術は、通常、きめ細かな制御と豊富な機能性を実現します。これによって、顧客のコブラウズがよりスムーズになり、安全性が向上するのです。
クラス最高のコブラウズ ソリューションにより、あらゆるブラウザでシームレスな接続が実現します。
- 顧客とエージェントは、すでに電話かチャットで会話をしています。必要性が感じられた場合、エージェントは顧客のブラウザやデバイスを使い、フラストレーションを感じることなく、今までの会話にコブラウズ セッションを追加できます。
- するとエージェントは、顧客が操作を完了する際に、タスクの完了方法を段階的に説明ができるようになります。
- エージェントはアノテーション (注釈) 機能を使い、顧客の画面で重要な部分を強調して、次にクリックする場所を示すことができます。
- 時に顧客は、御社の Web に掲載されている情報以外に興味を示すこともあります。たとえば顧客の Web サイトでの購入手続きをサポート中に、その顧客が他のサイトで値段の比較をしたいと希望した場合は、ブラウザの新しいタブを開いて一緒に比較をすることができます。
- コブラウズ セッションを行う場所に関わらず、ソリューションは顧客を保護する必要があります。個人が特定できる情報は担当者の視界には入らないようにし、エージェントが顧客の代わりに行う操作 ( 「送信」をクリックするなど) は、すべての場面で制限する必要があります
- セッション中とセッション後の録画と報告は、顧客対応チームの向上に役立てるために利用できます。
- バックグラウンドでは、コブラウズはクラウド上の独立した第 3 のブラウザで実行されています。これは、離れた場所にいる 2 人が同じ映画を見るのと似ています。Web ページはリモート コンピュータからエージェントと顧客にストリーミングされ、エンドユーザーのブラウザに直接接続したり、ソリューションを通してトラフィックを強制するよりも、安全なアプローチを実現します。
しかし、すべての独立型のコブラウズ ソリューションは同じように作られてはいません。以下のようなソリューションは避けるようにしてください。
- 自社の Web ドメインのみにコブラウズを制限している独立型のソリューション。自社のサイトから他のサイトに移動できません。
- ダウンロードが必要なソリューション。顧客にとって扱いにくく、分かりづらい場合があります。
- ドキュメント オブジェクト モデル (DOM) 型ソリューションでは、組み込まれたコードがエージェント側でその企業の Web サイト構造とコンテンツを再現しようとします。
- このアプローチは、ほとんどの独立型コブラウズ ツールで使われていますが、Web サイトの変更があると、顧客が見ているものを一貫して再現できずに、分かりやすくするはずが反対に混乱を招いてしまうことがあります。
- また、このアプローチはデータ マスキングを危険にさらします。Web サイトの変更されるたびに、必要な場所にデータ マスキングを維持するコードを追加するため、Web リソースを投入する必要があります。
- 顧客のトラフィックがプロキシとしてソリューションを強制的に送られるため、セキュリティを重視する企業に懸念を生じさせます。導入にコードは必要ありませんが、さらにカスタマイズしたり、オンサイト体験を統合させるためにコードを追加するオプションもありません。
必要とする主な機能は以下のとおりです。
- 容易さと柔軟性
- 顧客やエージェントがダウンロードの必要がなく、簡単に始められる
- あらゆる Web ページや PDF で動作し、顧客の行動が把握できる
- 顧客が希望するすべての最新 Web ブラウザをサポート
- 顧客が希望する Web ブラウザを実行するすべてのデバイスをサポート
- 相互参照 Web ページ用のマルチタブをサポート
- パーソナライズされた顧客体験
- 操作を明確にするためにカーソル上に名前や役割を表示
- 描画と強調を含む注釈ツール
- 顧客対応の文章に名前や役割を表示する
- 顧客の希望する言語への翻訳
- シリアル番号のような複雑な情報の伝達を容易にするセッション中のチャット
- セキュリティと安心
- プライベート データ保護のため、すべての Web サイトでデータをマスキング
- エージェントが顧客に代わって行動するのを避けるために、すべての Web サイト上でボタンを無効化
- 継続的に改善していくためにセッションを録画し、レポートを作成
- 業界をリードする暗号化技術でデータを保護
- ユーザーのデバイスに、直接接続する必要がない安全なクラウド アーキテクチャ
- 顧客がコントロールを維持するために、顧客自身が作成する暗証番号
- シンプルな導入と管理
- コード不要でスクリプト化された柔軟な導入オプション
- データ マスキングとボタンの無効化のためのセルフサービス設定
- カスタマー サービス向け Microsoft Dynamics Omnichannel などの他のソリューションとの連携
- レポート、ホワイトリスト、カスタマイズなどの管理コントロール
- エンタープライズ レベル コントロール用のエージェントの権限
- 品質保証のためのセッション録画
その他のオプション
リモート サポート ツールやチャット ツール内のコブラウズ機能を使用したり、会議ツールを取り入れることはできますが、これらの方法が、多くのカスタマー サービスの問題解決に最適な方法ではないかもしれない理由を確認していきましょう。
- リモート サポート ツールを使用するコブラウズ
サポート ツールの中には、機能の 1 つとしてコブラウズを提供するものもありますが、リモート サポートとは何でしょうか ? リモート サポートとは、エージェントが顧客のデバイスを完全にコントロールし、デバイス上のあらゆるものへのアクセスを可能にします。通常、セッションはダウンロードから開始するので、ごく簡単な説明だけを必要とする顧客は嫌がるかもしれません。エージェントは、個人情報を含め、顧客に表示されるものをすべて閲覧できるので、顧客に不快感を与える場合があります。また、エージェントが全て操作するため、顧客が学ぶことができず、結果的にサービスコールを回避することができます。
- チャット ツールとコブラウズ
チャット ツールは、機能の 1 つとしてコブラウズを備えている場合がありますが、トレーニングを受けたエージェントのチャット ツールでのみ使用できます。電話で顧客とやり取りをしている顧客対応チームは使用できません。また、チャット ツールは、コードベースの展開を必要とし、コードが有効な自社の Web サイトのみで動作します。他の Web プロパティでコブラウズの新しいブラウザ タブを開くことはできません。
- 会議ツールとコブラウズ
多くの場合、オンライン会議を立ち上げながらの画面共有は簡単にできますが、会議ツールをコブラウズに使用する場合、いくつかの重大な欠点があります。データをマスキングする方法がないため、顧客のデータ プライバシーと企業責任が問われるリスクが発生します。
会議に招待していない人が現れたことはありませんか ? 会議ツールは、グループ コラボレーションが目的なので、そのようなことが起こります。もし、その瞬間に顧客の画面にプライベート データが表示されていたら、どういうことになるでしょう ?
マウスのコントロールを行ったり来たりさせるのも、イライラが募る場合があります。さらに多くの場合、そうしたツールでは、コンタクト センターが改善し続けなければならない監査とレポートの機能に欠けています。
クラス最高の独立型コブラウズ ソリューションは、顧客満足度をより確実に保証します。
コブラウズの実装方法
コブラウズを実装する方法は 2 種類あります。Web サイトにコードを追加する方法と追加しない方法です。それぞれの方式には、独自のメリットとデメリットがあります。
コードを使用する場合
多くのコブラウズ ソリューションは、コブラウズを有効にするためにコードを Web サイトに追加する必要があります。
- 長所:
- スクリプト化された実装は、最も統合されたオンサイト ナビゲーション体験を可能にします。顧客は、コブラウズ セッションを御社のWeb サイトを開いた状態で始められます。
- クラス最高のソリューションを使用すれば、通常、1 行のコードを追加するだけで簡単に行えます。
- この作業は 1 度だけで、メンテナンスは不要です
- 短所:
- コードの追加は Web チームが実行する必要があり、プロジェクト キューを待つのに数か月かかる場合があります。
- DOM ベースのような複数のコードのみのソリューションは、継続的な更新が必要です。Web サイトのありとあらゆる変更 (ページの追加やフォームのフィールドの移動など) は、データ マスキングを維持するためにコードを更新しなければなりません。
- これにより多くの場合、コブラウズが自社の Web サイトのみに限定されます。これでは、他の場所での顧客の行動が把握できません。
コード不要
少数ですがコードが不要なソリューションがあります。このオプションでは、コブラウズを有効にするために自社の Web サイトにコードを追加する必要はありません。
- 長所:
- コードが不要な導入は、Web 開発チームの力を借りなくても、すぐにコブラウズを利用できます。
- Web チームは通常バックログがあるので、これにより導入の時間を何か月も短縮できます。
- 最速の導入オプションをお探しの場合におすすめです。
- 短所:
- サーバーをプロキシとして使用するようなコード不要のみのソリューションは、自社の Web サイトにコードを追加するオプションがありません。そのため、コブラウズをする可能性が最も高い自社の Web サイトに、より統合された体験を作り出せません。
コード不要とコード使用の両方の利用がおすすめ
特化型のコブラウズ ソリューションは、コード不要またはコードベース実装を選択できるため、それぞれの長所を活用できます。
2 つの実装オプションにより、Web サイトにコードを追加せずに、すぐにコブラウズの使用を開始できます。Web リソースの利用が可能になったら、1 行のコードを挿入して、完全に統合されたオンサイト体験を実現できます。
コードの有無にかかわらず、データ マスキングとボタン操作の無効化はすべての Webサイトで機能するようにしてください。技術の専門知識がないビジネス ユーザーも、Web リソースを呼び出さずに自分で設定ができるべきです。
コブラウズの安全性
コブラウズ技術により、ユーザーのブラウザを共同で操作できるようになるため、顧客にとってはデータ プライバシーに対する不安、企業にとっては責任に対する懸念があるのは当たり前のことです。
ここまでに、データ マスキングやボタン操作の無効化など、コブラウズを安全な技術にする技術的な機能についてご紹介しました。他の SaaS 製品と同様に、セキュリティを最大限にするために信頼のおけるプロバイダーを確実に使用する必要があります。その他に考慮すべき点は次のとおりです。
- アーキテクチャ – コブラウズ ソリューションのセキュリティ アーキテクチャを考慮しましょう。金融グレードの TLS 1.2 トランスポート セキュリティと AES 256 ビット暗号化を検討してください。
- 接続 – ユーザーのデバイスに直接接続することは、セキュリティ上のリスクがあります。すべてのセッションは、クラウド上の隔離されたブラウザに接続する必要があります。エンド ユーザーのデバイスには決して接続しないでください。
- 認定 – GDPR コンプライアンス、SOC 標準、IETF プロトコルなど、セキュリティの標準や認定について調べます。
- 会社検証機能 – この機能は、ユーザー セッションの暗証番号を会社 ID にマッピングするものです。つまり、正当なビジネス アカウントによって生成されたセッションの暗証番号のみがセッションを開始できるようにします。誤った「ドメイン」に暗証番号を使用すると、暗証番号が無効であるというメッセージが表示され、コブラウズが開始されない仕組みです。正当な会社 ID が与えられたエージェントのみが、その暗証番号を使用してセッションを開始できます。
安全なコブラウズ セッションとは、以下のような状態です。
- 顧客はエージェントにコブラウズを開始するための暗証番号を提供し、セッションの始まりから状況を把握しています。
- セッションは、クラウド上の隔離されたブラウザに接続しますが、エンド ユーザーのデバイスには接続しません。
- 顧客とエージェントがコブラウズを実施する間、すべての機密顧客データはマスキングされます。エージェントが、銀行口座情報、社会保障番号、ログイン資格情報を見ることは決してありません。顧客側からは、エージェントの表示から何がブロックされているのかを確認できるので、心配はいりません。
- すべてのWebサイトで「今すぐ購入する」や「同意する」のような特定の行動を、エージェントが顧客の代わりに実行しないようにボタンが無効化されます。こうした操作の必要な項目は顧客だけができます。
- データをレポートしている間に、記録 (有効になっている場合) とセッション情報は企業の継続的な改善のために保存される場合がありますが、その他すべてのデータは各コブラウズ セッション終了時に消去されます。
- すべての情報は、AES 256 ビット暗号化を使用した TLS 1.2 トランスポート セキュリティで保護されています。これは、金融機関が使用しているセキュリティと同等のレベルになります。
コブラウズ ソフトウェアと画面共有の違い
画面共有とコブラウズの違いは何でしょう? コブラウズは共同作業を可能にします。双方が Web サイトを閲覧し、そのページを使用したリアルタイムのやり取りができます。エージェントは顧客が見ているものを、デバイス上の他のものを見ることなく確認できます。また、機密情報が含まれる特定のフィールドをマスキングすることもできます。
画面共有では、Web サイトの訪問者はリモート デスクトップ上にあるものを共有できます。これはグループ コラボレーションを目的としていて、データ マスキングは備えられていません。また、一度に一方のみがマウス/キーボードを制御できます。画面共有は顧客の画面全体を表示するので、エージェントはデバイスで開いているブラウザ以外の情報やポップアップしたあらゆる通知を見ることができます。
すでに説明したように、画面共有が可能な会議ツールをコブラウズの代わりに取り入れるチームもあります。しかし、これでは本当の共同作業体験はできません。セキュリティの問題と同様に、プレゼンター役を行ったり来たりさせるのは、綱引きをしているようなものです。コブラウズ ソフトウェアを使用すると、双方のカーソルがラベル付けされて有効になるので、エージェントと顧客が一緒に Web サイトを操作できます。
コブラウズのメリット
適切なコブラウズ ソリューションを使用すると、以下のことが可能になります。
- コブラウズを使用して顧客体験 (CX) を差別化 – 顧客から感謝される高度にカスタマイズされたきめ細やかな顧客サービスを提供することで、競争力が向上します。
- 顧客との信頼関係を構築 – 顧客のプライバシーを保護することで、より確かな信頼関係を築きます。
- 売上の増加 – 購入へのあらゆる障害を取り除き、高度にカスタマイズされた体験を提供してロイヤルティを築きます。
- ショッピング カートの中止率の低下 – 顧客が購入するための操作をリアルタイムで手伝います。
- 通話量の削減 – 顧客に今後同じような問題を自分で解決できるように教えることにより、自己解決率を向上させます。
- ビジネスリスクの排除 – 毎回の顧客とのやり取りで、カスタマー サポート担当者が確認または実行できる内容を管理します。
- デジタル化の促進 – デジタル リソースを自身で使用する方法を顧客に教えます。
- すべての顧客対応チームの強化 – チャットやサポートの担当者だけではなく、顧客と直接やり取りをするすべてのエージェントが、1 対 1 のカスタマー サービスをオンラインで提供できます。 視覚的にあらゆる分かりづらさを解消する機能により、従業員体験を向上させます。
- 初回解決率の向上 – すべてのチャットや電話での会話に視覚的な要素をシームレスに追加することで、あらゆる誤解を防ぎ、問題を迅速に解決します。